ベッドの上の姫。
あそびの記憶 / 上品で静かな余韻の短篇
午後の光はレース越しに淡くほどけて、部屋の輪郭をやさしくぼかしていた。
ベッドの上の姫は、髪の流れまで静かで、呼吸だけが時間の鼓動を刻んでいる。
小さな画面越しに、確かに感じる熱を帯びた瞳。
「今日のあなたは、光そのものだね」
そう告げると、姫は小さく微笑んで、シーツの上で光をまとった。
誰かを褒めることは、相手の輪郭を大切に撫でることだと思う。
触れずに、でも確かに届く距離で。心に触れる距離で。
ベッドの上の姫は、沈黙の中でも優しい。
言葉を交わさなくても、指先でカメラをなぞる仕草だけで伝わる。
画面の向こうで交わす笑みは、ほんの一瞬で世界を変える魔法。
そのまま、吐息だけでぐっすり眠れそうだと思った。
現実と幻想のあわいで、褒め言葉がやさしく溶けていく。
ベッドの上の姫を見つめるたび、ぼくは思う。
褒めることは、想いを静かに伝える儀式なのだと。
―― ヒジ 🌙
