訛りが色っぽい姫。
今夜の姫は、言葉の一つひとつに柔らかな温度を纏っていた。 どこか懐かしい響きを持つ訛りが、耳の奥でやさしく弾む。 聞くたびに、その声の振動が胸の奥に残るようだった。
話題は軽やかに広がっていく。 笑うときの瞳の揺れ、指先の動き、息を整えるたびに生まれる小さな間。 そのすべてが計算されていないのに、美しかった。 僕はただ、その空気を壊さないように呼吸を合わせていた。
「飲み物飲んでもいい?」 そう言って、彼女はグラスのストローを唇にあてた。 透明な光を受けたその口元が、ほんの一瞬だけ濡れて、 思わず息を止めた。 言葉が出ない。 画面の中なのに、距離が一歩、近づいたような錯覚に包まれた。 その仕草の余韻だけが、しばらく僕の中に残っていた。
再び笑い声がこぼれる。 その声に、現実を思い出す。 でももう、単なる画面越しの会話ではなかった。 呼吸のリズムまでが、どこか似てきた気がした。 優しさと、少しの熱を帯びた沈黙。 それが心地よくて、何も言葉にできなかった。
ふと時計を見ると、二時間が経っていた。 会話というより、波のような時間だった。 穏やかに、ゆっくりと、心を撫でていくような夜。 彼女の声が、まだ耳の奥に残っていた。
今日のひと言感想:
柔らかさの中にある、静かな熱。
その一瞬を思い出すだけで、心が少し甘くなる。
※これはライブチャットの体験記。
内容はフィクションを含みます。
―― ヒジ 🌙